さてさて、早速ですがみてくださいこの雪!
あまり雪の降らない気仙沼市ですが、山側の標高の高い位置にあるベビーモスリンの縫製工房は季節の恩恵が直撃する職場です。
春秋はのどかで五風十雨(ごふうじゅうう)的な景色が続きますが、とにかく夏は暑く冬は極端に寒い点がチャームポイントでして、下界(市内の街なか)よりも大げさに冬将軍が訪れます。
そのため雪路を車で通勤するスタッフは朝から一苦労しますが、一方では自然の厳しさの中に豊かさもあって、雪遊びを通じて子どもたちは自然を学んでいきます。
そんなこんなで厳しい環境ながらもこの雪で子どもたちがカマクラや雪だるまを作るかと思うと、山間に職場をつくって良かったなあなんて思います。
そんな現場からお送りしておりますが、今回は現在絶賛進行中の「新作ベビーモスリン!」についてお話ししたいと思います!
企業秘密なので誰にも内緒にしておいてくださいね!
という感じで今回は行きたいと思います。
毎回のようにブログに書いていますが、ベビーモスリンはママたちの企画よって誕生し、ママたちの手で作られた後、育児期の母子の元に届けられていて「母子から母子へ」を合言葉に製作されています。
そのためベビーモスリンの裁断からパッケージングに至る全工程の全員が「ママ」。
藍染めを施した「ベビーモスリンBLU(ブルー)」については以前お話ししましたが、また新しくチームに加わった染め師ママの手によって2色の開発が進んでいます。
まずはこちら
女の子にオススメの、もも色がかわいいこちら。
名を「ベビーモスリンもも色」と申します。
まんまですね。
名前は一瞬で決まりましたが、出来上がるまで茜染で染色テストを何度も繰り返しての誕生です。
特に「ピンク」ではなく、小さい子を包みたくなる「もも色」のトーンを出すのに必死になりました。
そしてこちら
好きな人は好きな、はちみつ色。
男女兼用もできてしまう、はちみつ色。
名は「ベビーモスリンはちみつ色」と申します。
まんまですね。
まんまですが、この黄色のトーンを出すのは本当に努力しました(染め師が)。
イエローという言葉の強さではなく、はちみつの色を再現するのでもなく、「はちみつ色」という語感の持つ柔らかい雰囲気で子を包みたい。もちろんナチュラルな原料で。
という無理難題に果敢に挑戦し(染め師が)、トライアンドエラーを繰り返して誕生しました。
仕上がりにワクワク。
こちらは正式には刈安(かりやす)染と言いまして、刈安というススキ類の植物から抽出した染料を用いて染めています。昔から日本ではススキ類が黄色染に用いられてきたそうですが、中でも刈安は名前の通り「刈りやすい」植物だったことから「刈安」という名になったとか。
こちらを製作している染め師は秋田県北部の鹿角市在住2児の母、絶賛育児奮闘中の染め職人さんです。
茜染や刈安染といったいわゆる草木染めは色や風合いが独特なために比類ないものとされてきましたが、明治になって安価で生産しやすい化学染料が日本に入ってくると、手間暇がかかる草木染めは次第に衰退し職人さんも途絶えていったそうです。それを大正になって鹿角で復活させたのが故・栗山文次郎さんという方であり、伝承したのが息子の故・栗山文一郎さんでした。
草木染めの復興に尽力された文次郎さんは昭和28年に人間国宝になられています。
本染色法が伝統染めとなった現在、東北の草木染めの聖地といっても過言ではない鹿角市は今日も草木染めが盛んに行われています。
「ベビーモスリンを通じて全国の母子に何かできることをしたい」
という染め師の一言から始まった本企画。
もうね、技術も大変嬉しいのですが、それよりも思いが本当温かくて待った無しでコラボした形が「もも色」と「はちみつ色」です。
春前には皆さんにお届けできるよう誠心誠意製作中ですので、乞うご期待ください☆
<ピースジャムとベビーモスリン>
2011年3月の東日本大震災直後から、ロンドン在住の日本人乳幼児ママたちによる東北支援として始まったベビーモスリンプロジェクト(旧・モスリンスクエアプロジェクト)。
被災地でのベビーモスリン配布にはじまった活動は、世界中で話題となった。
被災地では布の便利さも話題となり、ロンドン在住ママと気仙沼ママたちの手によって初の日本製モスリンスクエア「ベビーモスリン®」が誕生した。
現在では、ピースジャム工房にて気仙沼のママたちによる製作がされており、母親たちの雇用支援にも繋がっている。詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.babymuslin.org/