はじめまして!
今回から12話連続で子育て万能布「ベビーモスリン」にまつわる物語を書かせていただくことになりました。
NPO法人ピースジャムの佐藤と申します。これから1年どうぞよろしくお願いします!!
物語のメインとなるベビーモスリンは後ほどお伝えするとして、、まずは語り手の紹介を。
まったく面白みのかけらもない画像ですが、この人が語り手の人。僕です。
普段は気仙沼市の自社工房を拠点に母子を対象とした支援活動をしています。
その工房はピースジャム工房といいまして、地域のお母さん達が子連れで働きに集います。
こーんな感じでママが縫製のお仕事をしている目の前では、一緒に来ている子どもたちがキッズスペースで遊んだりしていて。
そのキッズスペースの反対側には厨房があって、子ども達は厨房でジャムづくりをするママを小窓からのぞきつつ、、
ママを応援しまくったり!
振り返ると遊びに来ている赤ちゃんがコロコロしていたり!
そんな不思議な風景の中でベビーモスリンはつくられています。
保育園でもなんでもない普通の職場ですが、ちょっと変わっていますよね。
というわけで、なぜこんな職場ができたのか、なぜここで「ベビーモスリン」がつくられているのかを12回にわたりお話ししていこうと思います。
時は2011年東日本大震災当時までさかのぼります。
僕らピースジャムは「赤ちゃんのお腹は絶対に空かせない」という合言葉のもとに集まって赤ちゃんの衣食住にまつわるさまざまな物資支援活動をしていました。
最初は僕1人でミルクとオムツを避難所や個人宅に配る活動でしたが、徐々に仲間が増え、1ヶ月も経つと15人ほどの集団になったので、ピースジャムと言う名前を付けて本格的に任意団体として活動をはじめました。
そんなこんなで夏を迎える頃、赤ちゃんを抱える家庭では共通の問題が起きていました。
汗疹(あせも)です。
なんだ、汗疹か。
というレベルのものではなく、汗疹が進行するとカブレから酷い瘡蓋(かさぶた)になるほど悪化していきます。水の自由が利かない環境だったので、代謝の良い乳幼児に対してこまめな清拭(せいしき)や汗拭きができなかったことが原因でした。夏の終わりには皮膚が硬化しカサブタが頭皮にまで広がった赤ちゃんもいたり、かゆみやストレスによって夜泣きがひどくなり、周りを気遣って避難所を後にした親子もおりました。
どうしたら良いのか頭を悩ませていたら1通のメールが届きました。『イギリスではミルク、オムツと並んで子育ての3種の神器とまで言われる「モスリンスクエア」を支援物資としてお送りしたい』といった内容で、送り主はロンドン在住の日本人ママコミュニティから。
汗を良く吸い、乾きは速くてサラサラ感が持続する丈夫な100%コットンで、乳幼児の手口やお尻拭き、沐浴やおっぱい拭き、おくるみからバスタオルまでなんにでも使える「子育て万能布」と書いてある。
はじめて聞く名前でしたが、これは汗疹予防にももちろんなります。
願ったり叶ったりのなんかすごいタイミング(笑)!
どうやらロンドン在住のママコミュニティが寄付活動をして東北の被災地に6,000枚を寄付する活動「ベビーモスリンプロジェクト」という名の活動で、ぜひ送りたいとの熱いメッセージ。。!
遠いロンドンの地から日本の、さらには東北の、さらにさらに気仙沼の母子を応援してくれている。
こんな温かい応援生きていて初めてです。
大感謝する間も無く即送られてきたモスリンスクエア。
僕らは乳幼児の検診で1人1人にせっせと配布です。
渡す方も受け取る方も初めて手にする「モスリンスクエア」に僕らはドキドキでしたが、後日乳幼児ママから続々メッセージが届きました。
「初めて使ったけど便利!」とか「どこで売ってるの?」「皮膚カブレが良くなったよ!」という声がたくさん。
役立てた嬉しさと同時に「そんなに役に立つなら僕らも使ってみよう(笑)」ということで
僕らも頂いて使ってみると、、、もう馴染みすぎて手放せないほどの使い心地(特に夏)!
特に僕は、赤ちゃん以上に汗っかきで、夏場なんてまるで滝です。
華厳ノ滝くらい汗かきます。そこに輪をかけて敏感肌だったので効果は身をもって感じました。
というわけで、今回はモスリンとの出会いについてお伝えさせていただきました☆
ありがとうございました。
<ピースジャムとベビーモスリン>
2011年3月の東日本大震災直後から、ロンドン在住の日本人乳幼児ママたちによる東北支援として始まったベビーモスリンプロジェクト(旧・モスリンスクエアプロジェクト)。
被災地でのベビーモスリン配布にはじまった活動は、世界中で話題となった。
被災地では布の便利さも話題となり、ロンドン在住ママと気仙沼ママたちの手によって初の日本製モスリンスクエア「ベビーモスリン®」が誕生した。
現在では、ピースジャム工房にて気仙沼のママたちによる製作がされており、母親たちの雇用支援にも繋がっている。詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.babymuslin.org/