赤ちゃんとママの暮らしを支援する「NPO法人 ピースジャム」とは?

NPO法人ピースジャムとは

2011 年の東日本大震災を機に誕生した赤ちゃんとお母さんを支援する団体。宮城県気仙沼市を拠点に子育て・雇用支援を行っている。地域で安心して子育てができるコミュニティづくりを目指し、子育てと仕事を両立できる仕事場の提供と、これによる雇用の創出、お母さん同士の交流の場の提供、子どもが安心して遊べる環境づくりに取り組んでいる。
今回はぼくサニエルが、代表の佐藤さんにお話を伺ってきました。

ピースジャム代表 佐藤賢さん

子育てと仕事が両立できる。地域で安心して子育てができるコミュニティづくりを

こんにちは佐藤さん。ピースジャムはどのような活動をしてるんですか?
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お話しを伺った代表の佐藤さん

サニエル気仙沼へようこそ!私たちは、宮城県気仙沼市を拠点に地域のお母さんの雇用支援、子育て支援をしているNPO 法人で、地域で安心して子育てができるコミュニティづくりを目指しています。そのひとつの活動が子育てと仕事が両立できる仕事場の提供と、これによる雇用の創出です。現在は地域のお母さんを雇用し、「PEACE JAM」というジェムや「ベビーモスリン」という子育て万能布を製造してインターネットやイベントで販売しています。

また、時短勤務、シフト制に加え、ジャム工房と縫製工房の間にキッズスペースを設けることで、子どもの様子を見ながら仕事をすることができるなど、お母さんが安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。最近では、雇用されているお母さんが主体的に地域のお母さんのためにジャムづくりのワークショップを企画しています。このようなコミュニティをつくって、育児情報を共有したり相談し合ったり、時には不安やグチを吐き出したりしています。お母さんが同じ悩みを持つお母さんのために、自立して活動することもピースジャムの特徴です。

ジャム工房の様子

ジャム工房の様子

東日本大震災をきっかけに気付いた「お母さんの声」

この活動をはじめたきっかけは?
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震災当時の活動の様子

2011年の東日本大震災の後、被災した約2,000世帯に食べ物やおむつなど、生活物資を届ける支援をしていました。被災した人々がどんなニーズを持っているのかを聞きとっていくと「働きたいけど子どもがいるので働けない」「子育ての悩みを誰にも相談できない」というお母さんの声が浮き彫りになったんです。お母さんになると家事や育児に追われ、働きたくても働けなかったり、誰にも相談できず地域で孤立してしまいがちです。この状況は、震災を機に地元を離れる子育て世代が増えたことも一因としてありますが、実は震災以前からあった問題が表明化しただけともいえます。

そこでまずは、子どもの様子を見ながら働くことができる工房づくりを目指しました。子育てと仕事。これまでは別々の空間でしかなしえないと思われてきましたが、固定概念をとっぱらい「同じ環境のなかで子育てしながら働く」という、新しい働き方を形にしたんです。この問題は、気仙沼に限ったことではありません。全国あらゆる地域で起こっていることです。ここでやっていることがよいモデルケースとなり、あらゆる地域に波及させられるようになったらと思っています。

仮設住宅での活動の様子

仮設住宅での活動の様子

交流の場を広げ、色んな関係性が生まれる場所をつくりたい

キッズスペースや遊具のある公園、ツリーハウスがあって、子どもも楽しめる場所ですね。

ツリーハウ ス

お母さんから「子どもの遊び場がない」という声を聞いていて、子どもが元気に走り回って遊べるという、ごく自然な風景をつくりたかったんです。はじめは工房内のキッズスペースだけだったんですが、2015 年には工房横に木製の遊具のある公園やツリーハウスができました。お母さんと一緒にきた子どもたちがここでのびのびと遊んで、自然に仲よくなって交流が生まれて、という風景を見るのがうれしいですね。

気仙沼では、高校卒業後に80%近くが地元を離れる現状があり、人材の流出が問題になっています。ふるさとといえども、子どものころから地域や人との血の通った関わりあいがなければ、それはただの景色になってしまう。いろんな大人が子どもと本気で関わって、地元にいることの価値をつくっていかなければなりません。そういう大人が増えれば、子どもが大人になったときに同じように子どもと関わることができますから。いろんな関係性が生まれる場所をこれからもつくっていきたいです。

情報の整備、それとシングルマザーへのサポートにも取り組んでいきたい

今後取り組んでいきたいことは?
ジャム

販路拡大を目指すピースジャムの商品

まずは情報の整備ですね。現状「行政や団体の情報が散在していることから、ユーザー(お母さん)が情報を十分に受け取れない」という課題があります。せっかくよい活動をしていても、その情報をキャッチできるのは限られた人たちだけなので、非常にもったいないんです。そこで現在、地域の情報プラットフォームとなるWeb サイトの立ち上げを進めています。ママサークルや子育て支援団体のイベント情報、市のU・I・J ターン向け情報、行政のワクチン接種のお知らせなど、すべてを見やすく閲覧できるようにして、より多くの人に必要な情報を届けられるようにしたいです。また、シングルマザーへのサポートも大きな課題です。昼夜問わず働くシングルマザーは、どんなに疲れていても子どもの世話をし、仕事と子育てに追われる毎日。地域とつながる時間がなく孤立してしまいがちです。持続的に子育てと仕事を両立しなければいけないシングルマザーにこそ、ピースジャムのサポートが必要です。しかし現状、シングルマザーを正規雇用し十分な給与を支払えるほどの収益には達していません。今後、商品の販路拡大により収益を増やして、シングルマザーを雇用できる環境づくりをしていきたいです。

今後は「支援」ではなく「応援」してほしい

最後に皆さんにメッセージをお願いします。
最後はみんなでサニエルと記念撮影

最後はみんなでサニエルと記念撮影

「ジャムはこう売ってみたらどうですか?」「これ困ってないですか?」こんな連絡がサニクリーンさんから頻繁にきます。これはピースジャムに関心を持ち、気にかけてくれているということです。同じ視点・同じ歩幅で考えてくれる存在がいることは、大変心強いものです。企業と団体という垣根を越えて、精神的に近い距離でつながっていると感じます。同じように多くの方が気仙沼に関心を持ち、近い距離でつながってもらいたいと考えています。気仙沼は多くの苦難を乗り越え、ようやくスタートラインに立った段階です。これまでは「支援」をしてもらっていましたが、今後は関心を向けてもらい「応援」してほしいと思っています。気仙沼は目の前に世界三大漁場のひとつである三陸の海を臨み、古くからさまざまな人種や価値観を広く受け入れてきたまちです。独特のコミュニティがあり、おもてなしが好きな人ばかり。ぜひ足を運んで気仙沼の人たちと交流し、その文化に触れてください。新鮮なお刺身や、ソウルフードのメカカレーなどおいしい食べ物がたくさんあり、ツリーハウスが点在していて自然もいっぱいです。気仙沼にきたら、ぜひピースジャムの工房にもお越しください。「サニクリーンさんのサイトを見てきました」といわれた方には、私がおすすめ観光スポットや、おいしいお店をお教えします(笑)。少しでも気仙沼に興味・関心を持ってもらえたらうれしいです。

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