「NACOT みどりの祭! in 日比谷公園」にいってきました。

自然観察指導員さんと子どもたちとサニエル

NACOTとは?

NACOT(ナコット)は、主に東京在住・在勤のNACS-J自然観察指導員からなる連絡会。自然観察会などのイベントを通して、生物多様性の普及・啓発に取り組み、かけがえのない自然を未来に引き継いでいくための活動をしている。今回は、ぼくサニエルが、NACOTが主催する「みどりの祭!in 日比谷公園」に参加して、代表の川上さんや参加者の方にお話を伺ってきました。

NACOT代表の川上さん

自然に触れ、身近な生き物の “つながり” を実感するイベント。

ワークショップでお話をする代表の川上さん

みどりの祭のワークショップでお話をするNACOT代表の川上さん

――みどりの祭について教えてください。

「みどりの祭」は、私たちNACOT(ナコット/NACS-J 自然観察指導員 東京連絡会)が毎年開催しているイベントで、「自然に触れ、身近な生き物の “つながり” を実感しましょう」という趣旨でおこなっています。5月22日は「国際生物多様性の日」なのですが、この日を記念して、今年(2018年)は5月20日に日比谷公園で開催します。去年(2017年)は参加者が150人を超えましたので、今年も楽しみですね。

――イベントではどんな企画をおこないますか?

今年は、「自然観察会」と「ワークショップ」の2本立てです。去年までは「みどりの自然観察会」という名前で自然観察会だけをおこなっていたのですが、今年からはワークショップも加え、名称も「みどりの祭」に変更しています。

自然観察会はNACOTの中心的な活動です。私たちは、「自然観察からはじまる自然保護」というスローガンを掲げていて、みどりの祭に限らず、年間を通して都内近郊で自然観察会をおこなっています。自然に親しみ、自然を知る観察会を通して、一人でも多くの人の「自然を守る」行動につなげていくのが目的です。みどりの祭でも、自然観察指導員と一緒に少人数のグループに分かれて日比谷公園をゆっくり歩きながら自然観察をします。

ワークショップは、今年からはじめる新しい試みです。ここ数年、親子連れの参加者が増えていることもあって、今年は特にお子さんに楽しんでもらいたいと思っていろいろ企画しています。植物の折り紙や切り紙を作る企画も用意しているのですが、たとえば「4弁の花」を作って、それと同じ花を見つけに行ったり。葉っぱの上に紙を敷いて色鉛筆で擦って写し取るのも、葉脈がきれいに浮き上がっておもしろいんですよね。あとは、セミの抜け殻展示もおこないます。とにかく、自然や生き物に関するいろんな体験をしてもらって、体験したことを持ち帰ってもらいたいと思っています。

五感を使って自然に触れて、感動してほしい。

恐る恐るヤモリを触るこども

自然観察会でヤモリに遭遇!ちょっと怖いけどかわいい!?

――自然観察会で子どもたちを案内するとき、どんなことを心がけていますか?

「単なる解説にならない」ということですね。子どもに「生物多様性」なんて言っても、当然分からないじゃないですか。生物多様性って簡単に言えば、生き物のつながりということですが、この「生き物つながり」を五感を使って体験してもらうのが重要だと考えています。「五感に触れる自然観察会」ですね。

ただ見るだけじゃなく、木に触ったり、花の匂いを嗅いだり、鳥のさえずりを聞いたり。五感を使って自然に触れることで、「感動」してもらいたいと思っています。「このイモムシは葉っぱを食べるんだ」とか、「いろいろな虫がいる場所には、エサを求めて鳥が集まってくるんだ」とか、そういう自然の営みを目の当たりにしてほしいなと。そうすれば、生物多様性という言葉は理解できなくても、「生き物はみんなつながっていて “食べる・食べられる” の関係にあるんだ」とか、「つながりが途切れちゃったら、人間も食べられなくなっちゃうのかな」とか、何となくでも命のつながりを実感してもらえるのかなと思っています。

――子どもたちが自然に触れる機会は減っていると感じますか?

そうは思いませんが、そうなっていったら残念だと思います。最近は何か調べようと思ったら、まずスマホじゃないですか。これは子どもに限った話じゃありませんが(笑)。スマホはたしかに便利ですけど、「答え」がすぐに分かってしまう環境は、子どもにとって必ずしも良い環境とは言えません。点と点をつなぐだけで経過がないと言うか、プロセスを飛ばしちゃっていますよね。

植物のことも生き物のことも簡単に調べられる時代だからこそ、「じっくり観察してみる」という体験が重要だと思います。五感を使ってプロセスを体験することで、「もっと知りたい!」と思ったり、「何でだろう?」と調べる楽しみが湧いてきたりするものです。私たちがおこなう自然観察会も、子どもたちに探究心や好奇心を満たしてもらうといった意味合いもありますよね。

 

身近なところにも「生き物つながり」はたくさんある。

葉っぱを食べている虫に注目するサニエルとこどもたち

葉っぱを食べている虫の正体は!?サニエルも子どもたちも興味津々。

――みどりの祭は、毎年「日比谷公園」で開催しているのですか?

最初は新宿御苑でおこないましたが、2011年からはずっと日比谷公園で開催しています。ちょうど5月の日比谷公園は緑もきれいだし、気候も気持ちいいし、青虫が出てきて鳥たちが子育てをする「バードウィーク」の時期でもあるので、生き物がいちばんイキイキしている時期ですよね。

日比谷公園って、けっこういろんな生き物がいるんです。ヘビもいるし、カエルもいるし、亀が産卵しているのも見ました。ヒキガエルがセミの幼虫を食べて、そのヒキガエルをヘビが食べる、というようなつながりがあって、日比谷公園のなかでもちゃんと生態系ができているわけですよね。

――日比谷公園にそんなに生き物がいるんですね。

都心のど真ん中の日比谷公園にいろんな生き物がいるイメージがないのか、「こんなところに生き物がいるんですね!」という声は、毎年たくさん聞かれます。日比谷公園に限らず、東京って緑が点在していて、ちゃんとグリーンベルトができているのですよね。東京でも身近なところにたくさん自然が残っていて、多くの生き物たちが互いにつながりながら生きています。

「子どもを自然に触れさせたい」と考える親御さんはいますが、みなさん「大自然」に行こうとするんです。たとえば立山とか、奥多摩とか。もちろんそれも大切な体験ですが、近所の公園でも遊歩道でも自然に触れることはできます。自然観察って特別なことじゃなくて、身近なところでも「生き物つながり」はたくさん見つけられます。ですから、もっと身近にある自然に目を向けてほしいですね。そうすることで、今まで素通りしていたことに気付いたり、今まで感じなかったことを感じたりできます。親子で、「こんなところに!」っていう感動をしてほしいなと思います。

NACOTでも、みどりの祭だけでなく年間を通して自然観察会を開催しています。季節や場所によってテーマも様々なので、いろんな発見があると思います。興味のある方は、ぜひ気軽に参加してほしいですね。

>> NACOTの自然観察会・イベント情報
http://www.nacot.org/

あなたも自然を守る力になりませんか?

自然観察会でお話をするNACS-J自然観察指導員の小口さん

自然観察会でお話をするNACS-J自然観察指導員の小口さん

──「自然観察指導員」について教えてください。

自然観察指導員は、地域に根ざした自然観察会を開き、自然を大切にする仲間を増やすボランティアリーダーのことで、日本自然保護協会(NACS-J)が養成・登録しています。私たちNACOTは、東京在住・在勤の自然観察指導員、約200名からなる連絡会ですが、各地域に自然観察指導員たちのグループ組織があり、全国では2万9,000人もの自然観察指導員がいます。

1泊2日の宿泊型講習会を受講することで、18歳以上の方ならどなたでも自然観察指導員になれますので、「自然が好き!」という方はぜひ受講していただきたいですね。実際に自然観察会に参加して、それがきっかけで指導員になる方も多くいらっしゃいます。ですから、まずは自然観察会に参加していただくのがいいかもしれませんね。

>> NACS-J 自然観察指導員のご案内
http://www.nacsj.or.jp/education/

みどりの祭 当日の様子

みどりの祭、自然観察会の様子。花びらの中を覗き込む参加者のみなさん。

みどりの祭、自然観察会の様子。花びらの中を覗き込む参加者のみなさん。

当日は天候にも恵まれ、お子さんの団体や親子連れが多く集まりました。「うちの子は虫が好きだし、普段は自然に触れる機会も少ないので」と、娘さんと一緒に参加した理由を話してくれたお父さんも。「ヤモリが出てきて楽しかった!触るのはちょっと怖かったけど・・・!」とは、自然観察会を終えた娘さんの感想。都会の公園でいろんな生き物に出会えて興奮するお子さんも多く、あちこちで驚き・ワクワクの声があがっていました!

 

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