佐藤さん:おーい、サニエル!今日、芋掘りあるよ〜
そう声をかけてくれたのは、ピースジャムの佐藤さん。
この日行われたのは、自然あそび保育モリノネの子どもたちの自然体験イベント。
会場は、ピースジャム工房のすぐそばにある、農家の吉田さんが丹精込めて育てている畑。
19名の親子がイベントに訪れます。
ここでは以前にも芋掘り体験をさせてもらったことがあり、地域の子どもたちにとってはちょっとしたおなじみのフィールドです。今回も、吉田さんのご協力のもと実現しました。
佐藤さん:それでは、さっそく会場の畑に行ってみましょう!今日もにぎやかになりそうだよ。
そう言って案内してくれた場所には、子どもたちのはしゃぐ声と、土の匂いがいっぱい。
それでは、サニエル、芋掘りの現場に突入です!

畑に入ると、長靴でずぶっと足が沈む感覚。
丁寧につくり込まれた畑の黒土は温かく、柔らかく感じます。
さっそくみんなで並んでおいも掘り開始!
「あったー!でっかい!」
「ぬけない〜!」
あちこちで歓声と笑い声が飛び交いながら、おいもが次々に土の中から現れます。

しかも、楽しみはおいもを掘るだけじゃないんです。
虫を見つけたり、落ち葉を投げたり、ぬかるみに寝転んだり。
五感フル活用で自然と格闘(?)する姿に、サニエルも思わず拍手。
そんな芋掘り中に、よーくみるとお芋といっしょにカプセルが埋まってます。
子どもたちがそのカプセルを開けると…

里芋(サトイモ)のイラストが描かれている紙が入っていました。
他にも、柿や白菜、大根やキウイのイラスト入りカプセルが続々掘り起こされます。
サニエル:吉田さん、これは何ですか?
吉田さん:これは子どもたちへのサプライズです。紙に描かれている農作物を子どもたち自ら収穫してお土産にできますよ。
吉田さんの粋な計らいに子どもたちはもちろん、保護者からも歓声が上がります。
意気揚々とサプライズ収穫に向かいます!
収穫体験で深まる親子と地域のつながり

イラストに描かれていた以上に大きく、自分よりも背丈の高い里芋の葉の下で、みんなで茎を引っ張ります。

よいしょ、よいしょと掘り起こされた里芋に、子どもたちは大はしゃぎです。
そのほかにも、

柿を取ったり、

白菜を引っこ抜いたり。「せーの!」と声を合わせ、野菜を大事に引き上げます。
大きな白菜がとれたときは、みんなで手を叩いたり、思わず飛び跳ねたり。
そんな楽しい声がいたるところで聞こえてきます。

あるお母さんがこんなことを言っていました。
「親がそばにいなくても、だれかが見守ってくれてるって感じられると、子どもも安心して遊べるし、私たちもホッとできるんです」
まさにその通り。
大人がただ「管理する」のではなくて、同じ目線で「関わっている」という空気。
子どもも親も、そして地域の人も、笑顔でつながりあっていく、そんな温かな景色が自然の中で広がっています。
ここで自然保育の魅力をモリノネの保育士さんに聞いてみましょう。

「部屋や園庭では出会えない「なにこれ?」の小さな発見が、ここにはたくさんあるんです」
そう話してくれたのは、自然あそび保育モリノネで子どもたちと過ごす保育士のゆかちゃん。
たとえば畑の土に触れたときの感触。草の匂い、虫の動き、風の音、季節のうつろい。
どれもが子どもたちの五感と想像力をゆさぶってくれるのだそうです。
ゆかちゃん:この保育の魅力は、子どもたちがやりたい!と思った気持ちを、ちゃんとそのまま実現させてあげられるところですね。
大人は見守ることに徹し、子ども自身が考え、選び、やってみる。
その姿勢が育ちの原動力になるといいます。
ゆかちゃん:園のお散歩では、ご近所さんが「庭まで入っていいよ」って言ってくださったり、「今日はトラクター見る?」と声をかけてくださったり。そんな土地柄ならではのゆるやかなつながりの中で、猫やカメ、庭木の観察まで楽しめる環境があって、地域の人たちが、子どもの育ちを見守ってくれてる感じがするんです。自然だけではなく、人のあたたかさも、ここの保育の大きな魅力だと感じます。
虫やカナヘビを怖がらずに身近な存在として接する子どもたち。
そんな姿に出会って、「ここの保育ならではの力を感じます」と語ってくれました。
佐藤さん、本日を振り返ってみてどうでしたか?

佐藤さん:自然体験は、子どもたちにとって「世界との対話」なので、実はとても大切なんです。
今日のような芋掘りや泥あそび、虫探しなどは一見すると単なる「遊び」や「イベント」に思えるかもしれません。でも子どもたちにとっては、五感を最大限に開放して、自分の意志で世界と関わろうとする「対話」の時間なんです。土に触れ、虫を見つけ、落ち葉のにおいに顔をしかめながらも興味津々に覗き込む子どもたち。その一つひとつから「いまを生きている」という実感を得てるんだと感じます。
ある研究では、「自然体験が豊富な子どもは、自尊感情が高く、協調性も育ちやすい」といいます。(出典:国立青少年教育振興機構『子どもの自然体験に関する調査研究』) また、文部科学省も「自然体験が『生きる力』の土台を育てる」と明言しているんですよね。
今日のようなシンプルな自然体験こそが、子どもたちの命の根っこを育てる大切な土壌になると思いますよ。
サニエル:地域が子どもに関わることで子育てにはどんな影響があると思いますか?
ピースジャム佐藤さん:子育てに「余白」が生まれる、これが大きな変化だと思います。
今日の芋掘り体験のように、地域の大人たちが一緒になって子どもたちを見守り、声をかけ、ともに笑ってくれる状態って、余白の産物だと思います。ひとりでシャカリキになって子育てをすると疲れてしまいますが、みんなで手をかければ時間も労力も余るんです。その余白が生み出した笑顔が今日もたくさんありましたよね。
何よりも子どもにとって余白は大切な資源です。
正解を求められることの多い今の時代。そんななかで、自然の中には「正しい答え」がありませんから、それぞれが自分のペースで関わり、感じて、気づいていく。
そうした時間こそが、もっとも豊かな学びを育んでくれるのだと、僕は思っています。
本日はありがとうございました。それでは最後に何かお願いします。
ピースジャム佐藤さん:今回もサニエルが来てくれるのをみんな楽しみにしていました。いつも応援してくれてありがとうございます。
募集になるのですが、自然あそび保育モリノネでは園児と保育士を大募集しています! 自然と関わり合いながら園児とともに、保育士としても一緒に成長していける職場です。
気仙沼への移住や転職をお考えの方は、ぜひお気軽にホームページからお問い合わせくださいね。
今回もありがとうございました。













