「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」 明るく楽しいゴミ拾いをきっかけに、環境問題に目を向けてもらいたい

小野木さん、サニエル、古澤さんのスリーショット

NPO法人 海さくらとは

2005年より「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」をスローガンに掲げ、さまざまな清掃活動を行っているゴミ拾い団体「NPO法人 海さくら」。毎月江の島でゴミ拾いを実施する「江の島ゴミ拾い」ほか、現役のお相撲さんと行う「どすこいビーチクリーン」や毎年海の日に青いサンタクロースの衣装を着てゴミ拾いをする「BLUE SANTA」など、明るく楽しいゴミ拾いプロジェクトを継続して行っている。今回、ぼくサニエルが、理事長の古澤純一郎さんと営業部長の小野木幸雄さんにお話を伺ってきました。

理事長の古澤さん

江の島のゴミのほとんどは、街からやってくる
街の人の意識が変わらないと、海のゴミは減らない

理事長の古澤さん

理事長の古澤さん

――団体起ち上げの経緯を教えてください。

<古澤さん>
私は創業120年以上続く船具屋の息子で4代目。長年海には家業でお世話になってきたし、幼い頃から慣れ親しんできた海が大好きです。そんな中でいつも遊んでいる江の島の海がゴミであふれているのを目の当たりにし、「なんとかしなければ」という思いが膨らんでいきました。最初は全部1人で拾ってやるぞと思っていましたが、拾っても拾っても翌週にはキレイにしたはずの砂浜がゴミであふれていて。一人では到底無理で、継続して取り組まなければいけないことがわかり、2005年に海さくらを起ち上げたんです。

多くの方が江の島にあるゴミは海外から流れてくるとか、放置ゴミだと思われているんですが、実は江の島のゴミの7割は川を伝って街からやってきます。排水口にゴミを捨てるとすべてのゴミが下水処理場に行くわけではなく、雨が多い日には下水処理場では処理しきれず生活排水がそのまま川に流れていってしまうんです。ですから、大雨の後は排水口に捨てたゴミが川を伝って海に流れ、タバコの吸い殻や飴玉の袋など生活ゴミが江の島のビーチにたどり着くんです。

そういうわけなので、江の島でいくらゴミを拾っていてもらちがあかないんです。街の人たちの意識が変わらないと事態は好転していきませんので、江の島のゴミ拾いだけでなく街の人に働きかけるいろいろなプロジェクトを展開するようになりました。

海さくらのゴミ拾いは、明るく楽しくマイペースに!

キレイになった砂浜で、ちびっこが相撲体験

キレイになった砂浜で、ちびっこが相撲体験

――活動内容について教えてください。

<古澤さん>
海さくらのゴミ拾いは、“明るく楽しくマイペースに!”がモットーです。現在メインで進行しているプロジェクトは5本。その中で主軸を担うのが「江の島ゴミ拾い」で、2006年から毎月1回江の島で実施しています。トングやゴミ袋、軍手は無料で貸し出しているので、誰でも手ぶらで気軽に参加できます。参加するともらえるスタンプが貯まるとTシャツがもらえたり、拾ったタバコフィルターの数が一番だった人にはプレゼントがあったりと、気軽に楽しく参加できる仕掛けをたくさん作っています。

プロジェクトの中でも最高に盛り上がるのが「どすこいビーチクリーン」です。現役のお相撲さんと一緒にゴミ拾いをして、キレイになったビーチで相撲体操や相撲体験をします。毎回お相撲さんもノリノリで参加してくれて、参加した子どもは大爆笑。子どもが笑えば、親も自然と笑顔になります。初めは「お相撲さん見たーい」「触りたーい」といったモチベーションでいいんです。楽しい記憶が残れば海が好きになるし、拾ったゴミが街から出ていることがわかれば自然とゴミ問題に触れることもできます。

また、日本財団の支援を得て取り組んでいるのが「LEADS TO THE OCEAN」です。Jリーグサッカーチーム「湘南ベルマーレ」を始めとするスポーツチームが、各スタジアムに集まるサポーターに向けて大型ビジョンで環境問題を考えるメッセージを流し、試合終了後にはゴミ拾いを実施しています。とにかく楽しくゴミ拾いをしてもらうのがテーマですから、チームカラーのトングやチームのマスコットキャラクターが描かれたゴミ袋を用意しており、サポーターのテンションがあがるような仕掛けを用意しています。

さらに、毎年海の日には海をキレイにするためにブルーサンタがやってくるというコンセプトで「BLUE SANTA」というプロジェクトを全国各地で実施しています。参加者は青いサンタの帽子とTシャツを身に付けてブルーサンタに扮し、ゴミ拾いをします。今年の「BLUE SANTA」は全国各地、150のゴミ拾い団体が参加しました。参加団体や参加者は、運営している環境イベントポータルサイト「BLUE SHIP」で募っています。

最後に、今年の夏に初めて「釘のない海の家」というプロジェクトを始動させました。海の家の建設・解体で出た釘がビーチに放置されているという問題があり、「子どもたちが裸足で走り回れるビーチを」という想いから釘のない海の家を作りました。間伐材を使用したドーム型のハウスには、東京オリンピックのロゴを作成した野老(ところ)朝雄さんデザインの天幕を使用しています。その天幕に子どもたちに色を塗ってもらい天井に飾りました。

日本全国の環境イベントを簡単に検索可能に 団体同士のつながるきっかけにもなるポータルサイト

「BLUE SHIP」を運営する小野木さん

「BLUE SHIP」を運営する小野木さん

――「BLUE SHIP」とはどのようなものでしょうか?

<小野木さん>
「BLUE SHIP」は、無料で利用できる環境イベントポータルサイトです。全国の環境団体・環境イベントを簡単に検索することができます。日本全国の活動団体をMAP上でひと目で確認できるので、環境活動に関わる近隣の団体同士が「今度一緒にイベントやりましょう」というように連携を図るきっかけにもなります。

さらに、「環境団体を作りたい」という方向けには、サイト内で団体のページを無料で簡単に作成でき、活動の告知ができるようにしており、ページを登録するだけでオリジナルトング10本をプレゼントしています。「BLUE SHIP」は去年の5月に起ち上げて、現在1,200団体程度登録してもらっています。今後も登録数を増やして、より検索しやすい使い勝手の良いサイトを運営していきたいですね。

「なかなかキレイにならない」という想いがある一方で、広がりつつある海さくらの活動の輪、共感の声

スタジアム周辺のゴミ拾いをするセレッソ大阪のちびっこサポーター

スタジアム周辺のゴミ拾いをするセレッソ大阪のちびっこサポーター

――12年の活動を通して実感していること、広く啓蒙したいことをおしえてください。

<古澤さん>
「12年やってもなかなかキレイにならないな」というのが正直なところです。まだまだやらなきゃいけないと改めて強く思うとともに、環境に目を向けてもらうのは本当に難しいなと感じています。ただ、参加者の中には環境に対する意識が変わったと言ってくれる方もいますし、子どもがゴミ拾いを「参加して良かった」と文章に書いてくれているのを見ると、少しずつ意識が変わってきているという実感もあります。

また、海さくらの想いに共感して自分たちが次世代のリーダーになろうという人たちもいて、全国に海さくらの活動の輪が広がっています。現在、海さくらは全国各地および海外に23団体あり、各地のリーダーが海さくらの主旨をしっかり理解しつつ、独自の活動を自由に行っています。

広く啓蒙したいこととしては、「私たちの生活と海は密接につながっている」ということです。日常生活では自然を身近に感じることはあまりないので想像しにくいのですが、実は私たちの生活によって海がピンチの状況に陥っているんです。そのことに少しでもいいから目を向けてほしいですね。といっても、なかなか実感しづらいと思うので、ぜひ一度海さくらのイベントに参加してもらいたいです。体験してもらえば、自然と体で感じてもらうことができると思います。

メディアで発信し、多くの人に活動を知ってもらいたい

青いサンタクロースたちが海への感謝を込めてゴミ拾い

青いサンタクロースたちが海への感謝を込めてゴミ拾い

――今後の展望をおしえてください。

<古澤さん>
先ほど申し上げた5つのプロジェクト以外にも、「ダイバーさんと一緒に海底のゴミ拾い」「18禁大人のゴミ拾い」「木魚のリズムに合わせてゴミ拾い」など、さまざまな楽しいイベントを次々と開催しています。今後もどんどん楽しいイベントにチャレンジしていきたいですね。また、さまざまなプロジェクトやイベントを、テレビやラジオなど一つのメディアで発信できるようにして、より多くの人に私たちの活動を知ってもらう機会を生み出したいです。

江の島の海さえもまだまだキレイにできていないのですが、江の島がキレイになればどんな海もキレイにできると思います。今は江の島の海を中心に活動していますが、上手くいったら江の島をモデルケースとして他の街でもやっていただけるように働きかけていきたいですね。

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