「世界に染まるな、世界を染めろ。」 海外インターンシップへの挑戦で得られた“自信”と“成長”

若松さんとサニエル

アイセック一橋大学委員会とは

アイセック一橋大学委員会は、126の国と地域で活動する世界最大級の学生組織『AIESEC』の日本支部である『アイセック・ジャパン』の大学委員会のひとつ。現在は国内に25の委員会があり、一橋大学委員会には一橋、津田塾、東京外大、ICUのメンバーが所属している。海外インターンシッププログラムを通して、多くの学生に異環境でのリーダーシップ経験を与えることを目指して活動している。今回はぼくサニエルが、一橋大学委員会のメンバー・若松さんにお話を伺ってきました。

活動内容は、海外インターンの「送り出し」と「受け入れ」

アイセック一橋大学委員会の若松さん

アイセック一橋大学委員会 東京外国語大学 国際社会学部 国際社会学科 3年 若松 南菜子さん

――アイセックに入会したきっかけと活動内容を教えてください。
大学1年の春に、新歓で勧誘を受けたのが入会のきっかけです。もともと、国際貢献やボランティアに関心があったのと、入学前からインカレに入りたいと思っていたので、特にためらいもなく「やってみようかな」って。あとは、一橋大学委員会の先輩たちがすごく生き生きしてたので、「ここ、楽しそうだなー」って思ったのを覚えています。

私たちの活動内容は、海外インターンシップを運営することです。インターンのプログラムを構想して、海外のアイセック支部に「一緒にやろうよ」って働きかけて、現地でインターン生を受け入れてくれるNGOや企業を探します。日本では「こういうインターンに参加したい人、いませんか?」ってプロモーションをして、集まった学生を送り出す、というのが大まかな流れです。それとその逆で、海外からのインターンの受け入れもやっていますね。

――若松さんご自身も、インターンプログラムに参加したそうですね。
はい、今年の夏に行ってきました。ガーナの「ウンクム」っていう村に7週間滞在して、「コミュニティ開発」のインターンシッププログラムに取り組みました。コミュニティ開発は簡単に言うと、地域の人たちと一緒に、その地域をより良くする活動のことです。

私は、子どもの頃に家族でケニアを旅行したことがあり、もともとアフリカが好きだったんですが、去年(大学2年時)、セネガルに行って、「やっぱりアフリカが好きだ」って確信したんです。なので、インターン先もアフリカを選びました。

ガーナという国には、特にこだわりはありませんでした。アイセック・ジャパンには、たくさんのインターンプログラムがありますが、参加するなら、自分が所属している一橋大学委員会が運営しているプログラムがいいなと思ってました。そのほうが情報をキャッチしやすいですからね。でも、うちのプログラムの渡航先はアジアが多くて、アフリカはガーナしかなかったんです。だから、ガーナしか選べなかったというのが正直なところですね(笑)。

村人の習慣を変えるため、「衛生プロジェクト」を発足

初回の清掃活動。

初回の清掃活動。手前に見えるのはゴミ山の一部。

――ガーナに行って、どんな課題を感じましたか?
私が、プログラム内で与えられたミッションは、「健康衛生分野において、コミュニティにインパクトを残してくること」でした。私が行ったウンクム村は、水道設備が壊れていて水も出ません。生活排水や汚物が堆積した排水路はマラリアの大きな原因になっています。日本と比べると、信じられない衛生状態ですね。

まずは、村の状況や村人のニーズを把握することからスタートしましたが、比較的早い段階で「やらなきゃ」と思ったのが「村人の習慣を変えること」でした。この村は、新しいモノが入ってきてもそれに対応できず、それがいろんな問題の原因になっていることに気付いたからです。

驚かされたことが2つあります。1つ目は「ゴミ」です。村では、ゴミはゴミ山に捨てるだけ。そうすれば自然と土に還りますし、動物が食べたりもしますから、昔は問題なかったんだと思います。でも、村にプラスチック製品が入ってきてからは、そうはいきません。村にはゴミを収集・処理するシステムがないので、プラスチックのゴミは溜まっていく一方なんです。

もう1つは「病院」です。村のなかでも一部の人たちは病院に行く習慣がありません。だから、村に新しく病院ができても行こうとしません。具合が悪くなっても、お医者さんに診てもらうっていう発想がないんです。これも明らかに健康上・衛生上、良くないですよね。

そんな状況のなかでできることを考えたとき、まずは「習慣を変えなきゃ」って思ったんです。

――具体的には、どんなアクションを起こしましたか?
「衛生プロジェクト」を起ち上げました。このプロジェクトは、「衛生教育」と「清掃活動」の2本柱です。まずは、衛生教育を通して村人の意識・習慣を変えようと考えて、病院と提携して看護師さんを呼んで、村人に衛生環境の重要性を伝えていきました。

でも、教育って結果が見えにくいじゃないですか。だから、分かりやすい活動として清掃活動も取り入れました。掃除をすればするだけゴミが減ってきれいになりますから、結果が分かりやすく、メンバーのモチベーションアップにもつながると思ったんです。

衛生プロジェクトは、嬉しい驚きがたくさんあった

衛生プロジェクトのリーダーと若松さん

衛生プロジェクトのリーダーと

――衛生プロジェクトに着手してみて、どんなことを感じましたか?
ウンクム村に行く前は、貧しい地域で暮らす人って生活に対する気力もなくて、諦めちゃってるようなイメージを持っていました。でも、行ってみたら全然違いましたね。たしかに収入は少ないけど、みんな問題意識を持っていて、「自分たちのコミュニティをより良くしたい!」っていう意欲がありました。

そんな彼らのモチベーションに加えて、元来、外国人に対して好意的なので、衛生プロジェクトは進めやすかったですね。知らない日本人が突然現れても歓迎してくれ、プロジェクトメンバーもすぐに集まりました。衛生教育のとき、私が何も言わなくてもメンバーが主体的に動いてくれたり、清掃活動を見て「おもしろそうだから、私も入りたい!」って言ってくれる人がいたり。そういう嬉しい驚きがたくさんありましたね。

――衛生プロジェクトを推進するにあたって、難しいことはありましたか?
村人との意見のすり合わせが難しかったです。村でやる取り組みだから村人の意見は取り入れたいと思っていましたが、そもそも感覚が違うというか、前提が違うというか・・・。たとえば、彼らは計画を立てることが苦手です。「長期的に見て、今これをやるべきだ」っていう思考がないんですね。だから、彼らの意見をどうやって反映していこうかという点は悩みました。

私が、彼らの得意なことや弱点に気付くのが遅かったというのもあります。もっと早い段階で気付けていたら、もう少しスムーズに議論できていたかもなって。今はそう思います。

人生はやっぱり、自分が楽しいって思うことをやればいいんだ!

ウンクム村の小学校にて

ウンクム村の小学校にて

――インターンに参加して、若松さんのなかで変わったことはありますか?
私は昔からポジティブな性格で、ずっと「人生、楽しく過ごせばいいじゃん!」って思っていました(笑)。でも、将来のことを考えるようになると、「本当に楽しいことばかり求めてていいのかな・・・」っていう不安も感じるようになりました。ちょうどそんなとき、ガーナのインターンプログラムに参加して、「人生はやっぱり、自分が楽しいって思うことをやればいいんだ!」って自信が持てましたね。

ウンクム村の人たちは経済的に豊かなわけじゃないけど、毎日をすごくポジティブに生きていました。生きていれば失敗もするけど、次がんばろうって。たまには悲しいこともあるけど、明日はきっといい日になるって。恋愛も思い切り楽しんで、家族を大切にして、そうやって、日々の幸せを積み重ねていくような生き方をしている彼らに触れたとき、「こういう生き方をしていいんだな」って思えたんです。

あとは、以前にも増してアフリカが好きになりました(笑)。日本との違いで言うと、日本ってわりと「省エネ」で生活できちゃうと思いますが、アフリカでは「全力」を出さないと生活できません。自分のパワーをフルに使って生きるのって私にとっては楽しいことで、だからこそ、将来はアフリカで仕事がしたいって本気で考えるようになりました。でもそれなら、「もっと英語やらなきゃダメだ」ってことにも気付かされたんですが・・・(泣)。

――ガーナからの帰国後は、どんな活動をしていますか?
クラウドファンディングで、ウンクム村を支援する資金集めをしていました。先日、目標金額に到達したので、今ちょうど送金の手続きを進めているところです。集まったお金は、シャベルなどの清掃用具や長靴、プロジェクトのユニフォームの購入に使ってもらう予定です。村のメンバーたちが今後も衛生プロジェクトを継続して、彼ら自身の生活向上を実現してくれるのが私の願いですね。

アイセックは、挑戦できる場所。自分から経験をつかみたい人はぜひ!

アイセック一橋大学委員会の部室にて

アイセック一橋大学委員会の部室にて

――今後の若松さんのビジョンを聞かせてください。
将来は、アフリカと関わる人生を送りたいと考えています。でもまだぼんやりしているので、ビジョンを明確にするために、来年は1年休学してアフリカに長期滞在しようと決めています。自分はどんな分野ならアフリカに貢献できるのか?どんな職業なら生計を立てていけるのか?──そういうことを見極められたらいいなと思っています。

――アイセック一橋大学委員会に興味がある人へメッセージをお願いします。
アイセック一橋大学委員会では、今年の秋、「世界に染まるな、世界を染めろ!」というスローガンを掲げてインターンシップ参加者を募集していました。私にとって、アイセックは「挑戦できる場所」。外国人と協働しながら様々な挑戦をすることで、人間力が上がるのを実感できるというか、とにかくすべてが自分の糧になります。ボランティアや国際貢献に興味がある人はもちろんですが、「経験を待つのではなく、自分から経験をつかみたい人」には、ぜひ門を叩いていただきたいですね。

今、メンバーは45人くらいですが、ここの人たちには「いろんな価値観があっていい」っていう多様性を受け入れる雰囲気があります。あとは、「ワークハード・プレイハード」な人が多いかな。「遊ぶときは遊ぶ、やるときはやる」。そんな仲間たちと新たな挑戦をしたい人は、ぜひアイセック一橋大学委員会へ!
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ご支援、その他のお問合わせはこちらで受付けております
Twitter アイセック一橋大学委員会 @Aiesec_HI_LC:https://twitter.com/aiesec_hi_lc
電話番号:042-577-0992
住所:〒186-8601 東京都国立市中2-1 アイセック気付
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