チャリティーショップの運営を通して、環境に負荷をかけない社会をつくり、地域に「つながり」を生み出す。

左から事務局量の西田さん、サニエル、理事長の大嶽さん

NPO法人 エコメッセとは

エコメッセは、自然との共生を優先したまちづくりを実践し、環境に負荷をかけない循環型社会をつくりだす環境まちづくりNPO。緑が豊かで、誰もが歩きたくなる街並みや、自然エネルギーの普及で環境負荷のない暮らしの実現を目指している。現在、都内で16店のチャリティーショップを運営して活動資金を生み出すとともに、まちの人が行き交い、集う場を提供している。 今回はぼくサニエルが、エコメッセ理事長の大嶽(おおたけ)さんと事務局長の西田さんにお話を伺ってきました。

エコメッセ理事長の大嶽さん

チャリティーショップの運営を中心に、環境にやさしいまちづくりを。

NPO法人 エコメッセ 理事長の大嶽(おおたけ)さん。

NPO法人 エコメッセ 理事長の大嶽(おおたけ)さん。

──エコメッセ設立の経緯を教えてください。

<大嶽さん>
2001年の話になるのですが、練馬で「生活クラブ生協」の組合員活動をしているメンバーがいました。当時ちょうど、チェルノブイリの原発事故の影響で、生活クラブ生協のお茶の葉から放射能が検出されたんです。そんな背景があって、そのメンバーが「加害者にならない活動をしよう」と考えて立ち上げたのがエコメッセです。

当初は、市民発電所を作ろうと太陽光パネルを設置していたのですが、寄付だけで増やしていくには限界があります。その頃、イギリスに行ったメンバーが、現地の至るところにあった「チャリティーショップ」の活動を知り、「私たちもチャリティーショップをしよう!」っていうことになったんです。

翌2002年に「環境まちづくり」というミッションを掲げ、NPO法人としてのエコメッセが誕生します。以来、地域の拠点であるチャリティーショップを拡大していこうと活動を続け、現在では16店舗までショップを増やしています。

──エコメッセの活動内容について教えてください。

<大嶽さん>
第一に、チャリティーショップの運営を中心にした「リユース・リサイクルの推進」があります。地域の人たちに、捨てるにはもったいない物を寄付してもらい、それを販売して、必要な人に使ってもらおうということですね。

緑を増やす活動にも力を入れており、檜原(ひのはら)村や神奈川の湘南国際村、高尾の小仏トンネルなどでの植樹活動に参加しています。あとは、東日本大震災の被災地支援活動です。被災して避難生活を送る女性の手作り品をエコメッセで販売したり、「緑の防潮堤づくり」に参加したりしています。その他、太陽光パネルの設置や環境をテーマにした講演会なども開催しています。

私たちは、リサイクルショップではなく「チャリティーショップ」。

NPO法人 エコメッセ 事務局長の西田さん。

NPO法人 エコメッセ 事務局長の西田さん。

──チャリティーショップについて詳しく教えてください。

<大嶽さん>
「チャリティーショップ」と「リサイクルショップ」って、家庭で不用になったものを売っているっていう点では同じなんですが、そもそも目的や仕組みが異なります。大きな違いは、リサイクルショップは不用品を買い取りますが、チャリティーショップは寄付として受け付けていることです。また、チャリティーショップは営利を目的とせず、収益を社会貢献活動に使います。簡単に言うと、地域の人たちから寄付してもらったまだ使える物を、ボランティアの協力を得て販売し、その収益を非営利活動に活用するのがチャリティーショップということですね。

エコメッセでも衣類や食器、バッグやアクセサリー、着物や肌着などの寄付品を販売していますが、全部売れるわけではありません。じゃあ、売れ残ったものをどうするのか・・・? たとえば、売れなかった女性下着をパキスタンで使ってもらったり、古着を軍手としてリサイクルしたり、陶器をリサイクルして新しい食器を作ったり。チャリティーショップって、ある意味、ゴミとの戦いなんです。だから、常にいただいた寄付品の最終地点を考えながら運営しています。

──寄付品の販売価格はどのように決めるのでしょうか?

<西田さん>
ベースにする金額は商品ごとにあって、それを地域差などで調整する感じで決めています。バッグとか食器とか、ブランドものはネットで相場を調べたりして、適正な価値をつけて出したいと思っています。

価格決めは難しいんですが、目利きのノウハウは身に付いてきましたね。エコメッセって年配のスタッフが多く、16店舗もあるので、特定の分野に明るい人って結構いるんですよ。着物の見立てができる人とか、陶器の良し悪しが分かる人とか、前にテーラーで働いていた人とか。そういう人たちが持っている知識・ノウハウは、研修や会議で共有しています。

地域の人たちのコミュニティが生まれる場所として。

チャリティーショップでリメイクされた着物を手に取るお客さん

チャリティーショップでリメイクされた着物を手に取るお客さん。自然に会話が生まれる場所だ。

──チャリティーショップの運営を通して、世間の変化を感じることはありますか?

<大嶽さん>
私たちは、会社じゃなくてNPOだし、リサイクルショップじゃなくてチャリティーショップだし、運営してるのはおばさんたちだし、最初は周りから奇異の目で見られていました(笑)。でも、徐々に認知され、地域の人たちや商店街が寄付をしてくれたり、環境のことを聞いてくれたりと、受け入れられるようになりました。やっぱり、お店としてずっと同じ場所に存在し続けることって大切なんだなって思いますね。

<西田さん>
最近は、チャリティーショップに対する抵抗がなくなってきているのを感じますね。昔は、「入りづらい」っていう感じがありましたが、今は気軽に立ち寄ってくれるお客さんが多くなりました。「リサイクル」とか「リユース」が一般的になってきたのかなって。

 ──チャリティーショップはどんなお客さんが多いですか?

<大嶽さん>
多いのは年配の女性です。年金が支給される日にお買い物に来てくれる人とか、結構多いんですよ。女性って、お買い物が好きじゃないですか(笑)。エコメッセには掘り出し物があるし、金額も手頃だから、「何かいいものあるかな?」っていうワクワク感があるんじゃないですかね。最近は、若いお客さんも多くなってきましたし、男性や外国の方も増えています。嬉しいことですよね。

<西田さん>
おしゃべりをしに来る人もたくさんいますよ。エコメッセは「まちづくり」の拠点として、地域の人たちのコミュニティが生まれる場所でありたいと思っているので、お客さん同士の会話が生まれたり、情報交換をしたりして盛り上がっているのは嬉しいですよね。「このへんで、女性一人で安心してご飯食べれるところない?」とか(笑)。

<大嶽さん>
お客さん同士もそうですが、スタッフとのおしゃべりの場にもなっています。「今日は●●さん、いないの?」と、スタッフのファンができています(笑)。そういうのって、スタッフにとってもやりがいになりますよね。エコメッセのスタッフはほとんどがボランティアですが、みんな生き生きと働いてくれていますし、スタッフにとっても居心地がいい場所になっているのかなと思います。

寄付するのも、買うのも、それ自体が環境活動。

左は理事長の大嶽さん、右は事務局長の西田さん

左は理事長の大嶽さん、右は事務局長の西田さん。今後は、企業や大学とのつながりを探っていきたいと言う。

──エコメッセの今後のビジョンを教えてください。

<大嶽さん>
「目指せ、20店舗!」ですね。拠点が増えれば、認知度も高まりますし、仲間も増えます。地域にお店を持つ価値は大きいですからね。

<西田さん>
企業や大学とつながっていきたいと思っています。たとえば、私たちが企業に出向いて「今日はエコメッセが回収しますよ!」って言って、社員のみなさんの不用品を寄付してもらったり。大学の学生さんに定期的にボランティアをしてもらって、環境保全への意識を高めてもらったり。私たちのところに集まった衣類で、服飾系の学生さんに「リメイクチャレンジ」をしてもらうのも面白そうですよね。人とか、物とか、場所とか、いろんな「つながり方」ができると思いますので、これからはそういう可能性を探っていきたいです。

──最後にメッセージをお願いします。

<大嶽さん>
寄付していただいても、買っていただいても、それ自体が環境活動であり、エコにつながります。だから、まずはエコメッセの店舗に来てください!

<西田さん>
私たちは、ゴミを減らして循環型社会を作っていきたいという思いがあります。だから、要らなくなっても、すぐに捨てるんじゃなくて、少しでも「回る」仕組みを考えてもらいたいなと思います。買うときも、ちょっと環境を意識して買い物をしてほしいですね。

あと、もうすぐ7年になりますが、やはり3.11は忘れちゃいけないことだと思います。当時、エコメッセは「仕事起こしに行こう」なんて偉そうなことを言って被災地に行きましたが、行ってみたら、全然そんなことじゃなかったんですよね・・・。必要だったのは、分断されたコミュニティの再興でした。私たちが関わった富岡町の方たちは、故郷に帰れないっていう現実があり、今も家族の分断が続いているわけです。どれだけ時間が経っても、忘れちゃいけないことですよね。

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