琵琶湖のピンチに大学生が立ち 上がる!「外来水生植物除去大作戦」

琵琶湖のピンチ

NPO法人国際ボランティア学生協会 (IVUSA~イビューサ~)とは

1993年に設立。2002年にNPO 法人となり、現在約3,400 人もの学生が加盟する国内最大級規模の国際ボランティア団体。「国際協力」「地域活性化」「環境保護」「災害救援」の4 つの活動を柱に、国内外で社会貢献活動を続けるとともに学生の教育にも力をいれている。
今回はぼくサニエルが、理事・事務局長の伊藤さんと東洋大学3年生(当時)の柴田さんに「外来水生植物除去大作戦」についてお話を伺ってきました。
※IVUSAは「International Volunteer University Student Association」の略

琵琶湖で爆発的に増えている水草「オオバナミズキンバイ」

お話しを伺った理事・事務局長の山本さん(右)と大学3年生の柴田さん(左)

お話しを伺った理事・事務局長の山本さん(右)と大学3年生の柴田さん(左)

<伊藤さん> こんにちはサニエル!いきなりですが「オオバナミズキンバイ」という水草をご存知ですか?近年、この水草が琵琶湖で爆発的に繁殖したことで、生態系や産業に悪影響を及ぼしています。2014 年に「特定外来生物」に認定されたこの水草は、2009 年に確認されてからわずか数年で、琵琶湖の岸をびっしりと覆うほどに繁殖し、2013 年からは私たち「国際ボランティア学生協会(IVUSA ~イヴューサ~)」を含む関係団体が除去に取り組んでいます。

オオバナミズキンバイ

琵琶湖を覆う、オオバナミズキンバイ

たまたま琵琶湖のイベントでIVUSA のOB が、オオバナミズキンバイの存在を知ったことが、この活動をはじめるきっかけになりました。機械だけでは根からの除去や岩場の除去ができないので、どうしても人の手が必要になる。しかし地元の漁師や高齢者だけでは人手が足りないということを知ったんです。そこで学生たちが自ら旗を振り「1,000 人でオオバナミズキンバイをやっつけよう!」というスローガンを掲げ、活動がスタートしました。毎年夏に数百人の学生で除去活動を行っています。目標はズバリ「殲滅(せんめつ)!」。今ではIVUSA のメイン活動となっています。

達成感と充実感が大きい

打倒 オオバナ

T シャツの背中には「打倒 オオバナ」

<柴田さん> 「ボランティアで水草を除去する」と聞くと大変そうですが、IVUSA らしく「1,000人でやっつけよう!」と呼びかけると「楽しそう」とたくさんの学生が参加してくれました。ただ、現場はとてもきついです。毎年夏に2 泊3 日で活動するのですが、胴付き長靴を着ながらの作業なのですごく暑いし、水辺なので臭いも強い。おまけに水を含んだ水草はとても重いし…。私は50 人ほどのチームのリーダーをしているのですが、初日がきつすぎて、2 日目にはみんなのモチベーションが下がってしまいます。そこでどうやってやる気を出してもらうかに頭を悩ませています。ただ、その分すごく達成感があるのは間違いないんです。1 年生が「来年も参加します!」っていってくれると嬉しいですね。私も作業をしているときは「もう二度と行かない!」と思うんですけど、達成感と充実感が大きくて毎年参加しています。過酷さと達成感が合わさって、ボランティアというより皆んで競技をしているイメージですね( 笑)。

合計48 トンを除去。達成感あふれる3 日間

1 日目。12 トンを除去

1 日目。12 トンを除去

<柴田さん> 1 日目。たくさんの来賓の方を迎えて開会式を行い、3 日間の活動がスタートしました。この日は広範囲に少人数に分かれて除去活動を行い、約12 トンを除去しました。小さな茎を少しでも残してしまうと再生して繁殖してしまうため、注意しながら徹底的に取り除いていきました。

滋賀県知事

2 日目。滋賀県知事が激励

<柴田さん> 2 日目。活動前の開会式では、守山市長から「IVUSA の活動のおかげで守山市のオオバナミズキンバイが減少傾向にある」「国会で琵琶湖再生法が可決され、活動の輪が広がっている」などのうれしいニュースを聞くことができました。また滋賀県知事も訪れ、学生と一緒に活動してくれました。

3 日目(最終日)。合計48 トンを除去

<柴田さん> 最終日、完全除去を目指して一致団結。終盤には最後の力を振り絞るように全員で声を掛け合いながら作業を続け、3 日間で合計48 トンを除去しました。閉会式後には円陣を組み、全員がひとつになったことを実感できました。

3 日間でのべ1,183 名が参加

3 日間でのべ1,183 名が参加

課題は「認知度の低さ」と「行政間の温度差」

たった4 ヶ月でここまで繁殖する

たった4 ヶ月でここまで繁殖する

<伊藤さん> 少し放っておくと爆発的に増えてしまうオオバナミズキンバイは、関西の水源全体にかかわる重要で緊急度の高い問題。けれど、地元の人も知らないほど認知度が低いのが現状です。
<柴田さん>私たちが作業をしていると、近所の人が「何とってるの?」って声をかけてくるんです。すぐそばに住んでいる人にも知られていないのには驚きました
<伊藤さん> 行政間の縦割り構造もあります。水上は県の管轄、陸上は市の管轄と分かれているので物事がスムーズに進みません。私たちのような団体の利点は、このような管轄にとらわれず活動できるところなんですが、現在は、私たちだけでは背負いきれないほどの問題になっています。ここから先は、ほかの団体や自治体と本格的に連携をとらなければ対処することはできません。そこでこの課題を解決し、活動に対する理解を得るために、積極的にイベントやフォーラムに参加して広報活動を続けています。過去には、琵琶湖近くで開催するロックフェスのために、たまたま居合わせた有名ミュージシャンがTwitter で発信してくれたこともありました。
<柴田さん> オオバナミズキンバイは「たかが水草」と思われがちですが、実は深刻な問題なのです。まずは一人でも多くの人に知ってもらい、活動に参加してくれる学生を増やしていけたらと思っています。

※オオバナミズキンバイなどの特定外来生物は栽培や保管、運搬などの取り扱いが法令で規制されています。IVUSA は防除従事者証を受け、除去作業マニュアルを作成し、適正な除去活動を行っています