企業理念を一人ひとりの行動へ。

──「サニクリーンの日」が制定された背景を教えてください。
山本さん:サニクリーンは、企業理念の一つとして「子どもたちの笑顔が続く未来を目指す」というメッセージを掲げています。私たちの主力事業である清掃用品・衛生商品のレンタルサービスは、限りある資源を有効活用するという意味で、この理念につながるものです。一方で、一人ひとりの社員に目を向けると、理念を体現するような行動はまだまだ少ないという課題がありました。
「子どもたちの笑顔が続く未来を目指す」という理念を言葉だけで終わらせるのではなく、一人ひとりの具体的な行動に落とし込みたいという思いが出発点となり、サニクリーンの日の制定に至りました。
サニクリーンの日は、「サ(3)ニ(2)ク(9)リーン」の語呂合わせから3月29日としており、一般社団法人 日本記念日協会において正式に登録されています。毎年3月29日が、「子どもたちの笑顔が続く未来のために何ができるだろう?」と考え、行動を起こすきっかけになればという願いが込められています。
──サニクリーンの日はどのような活動をしているのですか。
山本さん:サニクリーンは、東京・日本橋に「株式会社サニクリーン」という本部機能を置き、全国24のグループ会社とともに事業を展開しています。サニクリーンの日が制定される前から、グループ各社はそれぞれ地域に根差したCSR活動を行っていましたが、コロナ禍を経て、グループ全体でプロジェクト化し、現在は毎年サニクリーンの日に合わせて様々なイベント・キャンペーンを実施しています。
初年度(2024年)は「みんなが取り組んでいるSDGsな活動を教えて!」というテーマで、一般の方から日頃取り組んでいるSDGsな活動を募集し、応募数に応じてNPO団体に寄付をしました。
プロジェクト化して初めてのイベントだったこともあり、どのくらい反響があるのかという不安もありました。ですが、結果としてXで21,460投稿、ハガキで960枚と、目標を大きく上回るご応募をいただきました。世の中でSDGsへの関心が高まっていることを実感するとともに、イベントとしての手応えも感じることができ、2年目以降の活動へのモチベーションにもつながりました。
子ども向けお掃除イベントからSUP清掃まで。

──2年目の活動についても教えていただけますか。
中島さん:サニクリーングループは長年、サービス・CSR活動の一環として「お掃除教室」を続けています。全国各地で様々な団体や年代を対象にお掃除教室を開いていますが、2025年のサニクリーンの日は、未就学児~小学生低学年向けにアレンジした内容でお掃除イベントを開催しました。
お掃除イベントは「楽しみながらお掃除を学ぶこと」を重視して、クイズ大会をしたり、石けんやお掃除スライムなど実際に使えるお掃除グッズを作ったり、お楽しみ要素もふんだんに盛り込みました。
──お掃除イベントの反響はいかがでしたか。
山本さん:サニクリーンの日は「子どもたちの笑顔が続く未来」を考えるきっかけとなる日ですが、私たちが直接子どもたちと触れ合う機会は、このお掃除イベントが初めてでした。
目を輝かせながら話を聞き、楽しそうに手を動かす子どもたちの姿を見て、嬉しかったというのが一番の感想です。子どもたちからは「すごく楽しかった!」「次はいつやるの?」という声をもらいましたし、保護者の方からは丁寧なお礼メールをいただきました。私自身、「この活動は意味があるんだな」と、あらためて実感できたイベントでしたね。
──お掃除イベントのほかには、どのような活動を行いましたか。
渡邉さん:グループ各社が取り組んでいるSDGsな活動をまとめたリール動画を制作し、インスタグラムに投稿したのも昨年の取り組みの一つです。
これはどちらかと言うと、グループ各社の社員に向けた施策で、サニクリーンの日をグループ全体でもっと盛り上げていきたいという意図がありました。もう一つ、意識していたのが採用ブランディングです。近年の就活生は、SDGsやサステナビリティに対する感度が高い人が増えています。グループ各社は、植林活動や献血活動、営業所周辺の清掃活動など、SDGsにつながる様々な取り組みをしています。こうした活動を学生にもっと知ってもらいたいという思いもありました。
──SUP(サップ)でゴミ拾いをされたとも伺いました。
山本さん:はい、本部ではSUPに乗りながら川のゴミ拾いを行いました。サニクリーンは清掃サービスを提供する会社なので、ゴミ拾いによって街をきれいにするという目的は当然ありました。加えて、本部社員にもっとサニクリーンの日に興味を持ってもらいたいという思いもあったので、通常のゴミ拾いとは少し視点を変えて「SUPで川のゴミ拾い」という企画にしました。
本部社員約120人のうち43人が手を挙げて参加してくれたのですが、私たちとしては大成功だったと感じています。部門を超えたコミュニケーションが生まれ、社員同士の距離もぐっと縮まりました。事後のアンケートも5段階評価で4.93という満足度で、「また参加したい」という声も多かったので、第2弾も検討しています。
社内外に広がるサニクリーンの日。

──今年のサニクリーンの日の活動について教えてください。
渡邉さん:昨年、小学生向けのお掃除イベントを開催してみて、リアルの場で子どもたちと接する機会の大切さを実感しました。「この方向性で良いんだな」という手応えもあったので、今年も引き続きお掃除イベントを開催します。
今年はもっと集客規模を拡大したいと考えていたところ、以前からお付き合いのある企業さんから、「私たちのイベント内でお掃除教室を開催しませんか?」というお声がけをいただきました。「いこーよフェスタ in たまプラーザテラス」というイベントなのですが、開催日がちょうどサニクリーンの日に近いこともあり、今年は、いこーよフェスタの中で体験型のお掃除イベントを開催することが決まっています。
──そのほかの活動はいかがですか。
中島さん:今年のもう一つの取り組みが、社内向けの「フォトコンテスト」です。「きれいな未来は今日の行動から」というテーマに関連する写真を募集し、入賞作品を選びます。
サニクリーンの日は、グループ各社も含めた社内で広まりつつありますが、参加意識は高いとは言えないのが現状です。フォトコンテストの入賞者にはギフトを用意しているのですが、景品がきっかけでもいいので、一人でも多くの社員に参加してもらい、「きれいな未来」について考える機会にしてもらえればと思っています。
社員へ、子どもたちへ、そして社会へ。

──約3年の取り組みを振り返っていかがですか。
山本さん:入社2年目のときにサニクリーンの日のプロジェクトが発足し、私はリーダーとして携わりました。当時は会社の業務についても十分に理解できていない状態でしたが、このプロジェクトに携わったことでサニクリーンの理念を深く知ることができました。同時に、理念がまだ十分に浸透していないという現状にも気づかされました。
ですから、一人でも多くの社員にサニクリーンの日に関心を持ってもらい、活動に参加してもらうことを一つの目標として取り組んできました。毎年、対外向けのイベントと並行して社内向けのキャンペーンを行っているのも、そのためです。
この3年間は試行錯誤の連続でしたが、少しずつ変化も感じています。最初の頃は、グループ会社の現場の社員さんなどは「サニクリーンの日って何?」という方がほとんどでした。ですが、今年のフォトコンテストでは、そうした社員の方からも多くの応募が寄せられています。
渡邉さん:毎年、社内ポータルでサニクリーンの日について案内や報告をしているのですが、年々「いいね」の反応が増えています。「楽しみにしています」といったコメントをいただいたり、社内で「今年は何をするの?」と声をかけてもらったりすることもあります。サニクリーンの日を気にかけてくれる社員が増えているのは確かですね。
鈴木さん:私はまだ経験は浅いですが、先輩方の背中を追いながら色々なことを吸収しています。手探り状態ですが、できることを増やし、自分なりの形でプロジェクトに貢献していきたいです。
──プロジェクトメンバーは若手社員が中心になっているそうですね。
山本さん:
はい、全員が入社7年目までの若手社員です。若手が中心になってプロジェクトを進めていることにも大きな意義を感じています。というのも、このプロジェクトが単なるイベント運営にとどまらず、自分たちの普段の仕事や会社の在り方を見直すきっかけになっているからです。
若手社員はどうしても受け身の姿勢になりがちですが、各メンバーは、このプロジェクトを通じて自ら課題を見つけ、企画を考え、実行までやり切る力が身についてきました。周囲を巻き込みながら物事を進める主体性も育ってきています。プロジェクトメンバーとしての経験は若手社員の成長に直結するだけでなく、長期的には、組織全体の活性化や会社全体の価値向上にもつながる取り組みだと感じています。
──最後に、今後の展望・抱負をお願いします。
鈴木さん:今後は、まず社内においてサニクリーンの日の活動に対する理解と関心を高めていきたいと考えています。私たちの活動を通じて、より多くの社員が主体的に関われる環境をつくり、サニクリーンの日を多くの方にとって意味のある一日にしていきたいです。
渡邉さん:一人でも多くの社員を巻き込んでいくことが一つの目標です。ただ、その先にはお客様や取引先のみなさま、一般家庭の方々など、サニクリーンと関わる多くの方がいらっしゃいます。3月29日という日が、そうしたすべての方にとって「子どもたちの笑顔が続く未来のために、自分に何ができるだろう?」を考えるきっかけになれば嬉しいですね。
中島さん:この3年間でサニクリーンの日が浸透してきたからこそ強く感じているのが、一過性のイベントで終わらせてはいけないということです。イベントを開催することが目的ではなく、社員や関わる人にきっかけを提供し、行動につなげてもらうことが本来の目的です。その思いを忘れずに、グループ全体で盛り上げながら取り組みを継続していきたいと思います。
また個人的には、会社のキャラクターである「サニエル」をもっと有名にする仕掛けを考えていきたいです。実は、サニクリーンの日はサニエルの誕生日でもあるんです。サニエルの子ども人気は絶大で、サニエルの周りには子どもが集まってきます。ゆるキャラ業界には多くのライバルがいますが、サニエルの知名度を上げることで、サニクリーンの日の認知も広げていけたらいいですね。
山本さん:今後はもっと多くのイベントを開催し、多くの子どもたちに体験の場を提供していきたいと考えています。お掃除イベントが中心になると思いますが、規模や人数、回数や場所を増やしながら、サニクリーンの日を広めていきたいですね。
社内でプロジェクトメンバーを増やすことも、今後の課題の一つです。サニクリーンの日のプロジェクトに対する期待は感じますし、協力してくれる社員も増えています。ですが、「プロジェクトメンバーとして一緒にやりたい」と積極的に声をあげる人はあまりいないのが現状です。メンバーが増えれば実施できるイベントの規模・範囲も広がるので、一緒にサニクリーンの日を盛り上げてくれる仲間を増やしていきたいなと思っています。













