環境保護や災害援助。学生の熱意が世界の課題に挑む

国際ボランティア学生協会

NPO法人国際ボランティア学生協会 (IVUSA~イビューサ~)とは

1993年に設立。2002年にNPO 法人となり、現在約3,400 人もの学生が加盟する国内最大級規模の国際ボランティア団体。「国際協力」「地域活性化」「環境保護」「災害救援」の4 つの活動を柱に、国内外で社会貢献活動を続けるとともに学生の教育にも力をいれている。
今回はぼくサニエルが、理事・事務局長の伊藤さんと東洋大学3年生(当時)の柴田さんにお話を伺ってきました。
※IVUSAは「International Volunteer University Student Association」の略

学生夢から生まれた団体。「社会貢献」と「学生の教育」がテーマ

伊藤さん、柴田さん、こんにちは「IVUSA(イビューサ)」のことを教えてください!
伊藤さん

お話しを伺った理事・事務局長の伊藤さん

<伊藤さん> こんにちはサニエル! IVUSA の誕生は、1992 年に国士舘大学で行われた「学生の夢を応援する」という企画(プロジェクト)に端を発しています。その企画で打ち出された夢の中に「途上国に学校を建てたい」「多摩川に潜って清掃したい」というものがありました。そして、実際に行動を起こした学生たちは「自分たちは誰かの力になれるんだ」という喜びと自信を抱くようになります。「もっと社会貢献活動を続けたい!」という学生によってIVUSA は組織化されました。IVUSA のミッションは、紛争やテロ、環境破壊、貧困や格差、地域の疲弊など、世界中にある課題の解決に取り組むことです。このような課題に向き合う団体は数多くありますが、IVUSA が他と異なるのは学生が中心となって課題の解決に挑むという点です。学生は利害関係に左右されない中立な立場で活動できるため、課題解決を一番に考えた取り組みが可能となるのです。

災害地支援に必要な応急救命講習の様子

災害地支援に必要な応急救命講習の様子

そしてもう1 つの大きなテーマが「学生の教育」です。団体設立のきっかけが、学生たちの熱意であったように、彼らは社会の課題に素直に向き合い、ひたむきに力を尽くし、どんどん学んで成長していきます。IVUSA はそんな学生たちに、他では経験できない学びと成長を提供できればと考えているんです。おかげさまで学生間の口コミで広がり、今では全国で3,400 人もの学生が参加しています。

これができたらいいよね、というアイデアからはじまる

具体的にはどんな活動をされているんですか?

<伊藤さん> IVUSAは2002年にNPO法人となり、現在はおもに4 つの活動を柱にしています。ひとつめは「国際協力活動」です。現地のために何ができるかを考え、「カンボジア学校建設活動」「インド住宅建設活動」「フィリピン減災・環境保全活動」「中国緑化活動」に従事しています。

カンボジア学校建設活動の様子

カンボジア学校建設活動の様子

ふたつめは「地域活性化活動」です。
「新潟県関川村でのお祭り(大したもん蛇祭り)運営」や「東京都利島村の椿油生産支援」など、大学生の新しい発想で地域をサポートしています。

関川村の「大したもん蛇祭り」の様子

関川村の「大したもん蛇祭り」の様子

三つめは「環境保護活動」です。身近な場所から海外まで、環境美化や森林整備、清掃などの活動を行っています。

環境保護活動「琵琶湖の水草除去」の様子

環境保護活動「琵琶湖の水草除去」の様子

そして最後に「災害救援活動」です。
応急救命講習も全員が受講し「関東・東北豪雨災害救援活動」や「東日本大震災復興支援活動」などを展開しました。

危険もともなう被災地の活動

危険もともなう被災地の活動

こういった活動の大半は、学生の「これができたらいいよね」というアイデアから始まっています。我々職員はその意欲を大きな力にできるようサポートしているだけ。学生主体であることを大切にしているから、ここまでの規模に成長できたのかもしれません。現在は、1、2 年生が中心で、活動内容や取組み方は人それぞれです。運営側で活躍してくれる人もいれば、興味のある活動にときどき参加するという学生もいます。勉強、他のサークル活動、アルバイトといろいろやりたいこともあるはずですから、難しく考えず、自分のペースで参加してもらえたらと思っています。

普通の学生生活では経験できない、学生の域を超えた活動

柴田さんはIVUSA での経験をどう感じていますか?
大学3 年生の柴田さん

大学3 年生の柴田さん

<柴田さん> 「なんか楽しそう」「なんとなく興味がある」という気持ちで入っくる学生が多く、最初は私もそのひとりでしたが、宮城県出身ということもあり、東日本大震災で被災した経験から、自分も地域のために何かできないかという想いは、いつも持っていました。といってもIVUSA に入ったのは、ボランティアをする!と決めていたわけではなく、大学の新歓で声をかけられて、なんとなく入ったのがきっかけなんです( 笑) 。でも一度やってみたら楽しくてやりがいも大きい。今では学生役員もやらせてもらっていて、IVUSA に入って本当によかったと思っています。入ってよかったなと思うことのひとつが、全国に3,400 人の学生会員がいるので、日本中に一生の友達ができたということです。みんな同じ目的のために全力で取り組んでいるので、打ち解けるのも早いし、いつも本音で話し合っているのですごく刺激的です。そしてIVUSA でしかできない経験だと思うのは、普通の学生生活では経験できない、学生の域を超えた活動を経験できるということです。ボランティア活動は私たちだけでは実行できず、必ず他の団体や自治体とのやり取りが発生します。アポイントをとったり、スケジュールを管理したり、交渉をしたり、限られた予算内でどう活動するかなど、いろいろと頭を悩ませます。また「琵琶湖外来水生植物除去大作戦」の活動現場では、数十人の学生をまとめるリーダーもしていて、メンバーのやる気を引き出すにはどうしたらいいかと試行錯誤しています。うまくいかず悩むこともありますが、運営メンバーと話し合いながらいつも新しいチャレンジができて、成長している実感がすごくあります。普通に学生をしていたら絶対にここまで成長できませんでした。社会人になったらこの経験を活かして、大きなコミュニティでマネジメントをするような、たくさんの人と関わる仕事をしたいです。

理事・事務局長の 伊藤さんと、 東洋大学3 年生の 柴田さん

<伊藤さん> 先ほどもお話しした通り、IVUSA は「学生がどう成長し社会で活躍してくれるか」ということにも真剣に取り組んでいるので、コミュニケーション講習やマネジメント研修など、社会人基礎力を養う場としての機会も提供しています。やっぱり社会に出てからが本番ですから、IVUSA で学んだことを少しでも活かしてほしいですよね。過去には自分で団体を起ち上げた学生もいました。どんどん活躍してくれたら嬉しいし、有名になってくれたら僕たちも鼻が高いです( 笑)。

責任はあるけど、その分成長できる。それがIVUSA の魅力

これからIVUSA はどうなっていきたいですか?

ivusa

<伊藤さん> 学生主体で「国際協力」「地域活性化」「環境保護」「災害救援」の4 つの柱で活動するボランティア団体ということは変わりません。これからも学生の意欲を第一に、幅広く、そして楽しく活動していきたいですね。最近は活動のスケールがどんどん大きくなり、他の団体や自治体と一緒に大規模に動くことも増えてきました。だからもっとたくさんの学生に、興味を持って参加してもらえたら嬉しいです。
<柴田さん> 本当に楽しくて、大切な友達がたくさんできて、しかもどんどん成長できる。こんな場はなかなかないので、ぜひ参加してほしいです。最初は彼氏彼女を探すくらいの気軽な気持ちでOK( 笑)。1 回やって無理だったら辞めても大丈夫です。ただ、やるからには楽しいことだけではありません。きついことも面倒なこともあります。でも私はそれも含めてIVUSA の魅力だと思っています。
<伊藤さん> 楽しいと同時に社会の一員としての責任ある活動であることは忘れてはいけません。IVUSA が肌に合って活動を続けられたら、想像以上に自立した社会の一員になれると思います。


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